| 今月の注目のアクター | 岩井俊二 |
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いわい・しゅんじ…1963年生まれ、宮城県出身。ミュージックビデオやテレビドラマのディレクターを経て、『Love Letter』('95)で長編映画デビュー、『スワロウテイル』('96)や『花とアリス』('00)などを発表。近年は『ハルフウェイ』('09)や『BANDAGE バンデイジ』('10)などをプロデュース。
’09年/米/103分/配給:IMJエンタテインメント・マジックアワー/TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ他、全国ロードショー
自分もこの街の一員になりたくなる群像劇
アニメーション映画の音楽に取り組んでいるデイヴィッド(オーランド・ブルーム)。監督の「ドストエフスキーを読んで曲を作り直せ」という奇妙&無理な指示を、監督アシスタントのカミーユ(クリスティーナ・リッチ)から電話で伝えられる。会ったことのない二人だが、携帯電話のメールと電話でその距離は確実に縮まり……。この岩井作品の他10編からなるニューヨークの愛の物語。
数多くの映画の舞台となってきたニューヨーク。その決定版ともいえる映画が『ニューヨーク、アイラブユー』だ。世界から11人の監督を集めた本作に、唯一の日本人監督として参加したのは岩井俊二。彼の作品には、超ビッグネームが集結した。
「オーランド・ブルームは日本通で、僕の映画を観てくれていて、彼から出たいと手を挙げてくれました。クリスティーナ・リッチは彼と同じエージェントという縁で、出演が決まったんです。こんなビッグネーム、製作陣も想像していなかったので、決まった日は大騒ぎになりましたよ(笑)」
5年前からロサンゼルスに拠点を移している岩井は、英語で脚本を書き、ニューヨークのスタッフと「果てしない量の」メールの交換をして準備を進め、撮影一週間前に現地入り。そこでは11本の短編制作が「まるで工場のように」行われていたという。
「面白かったですね。僕が制作準備をしている隣の部屋で、シェカール・カプール(『エリザベス』の巨匠監督)が編集をしていたり。彼とはけっこう仲良くなって、一緒に食事もしたりしましたよ。スタッフとも仲良くなって、かなり飲み歩きました。ブルックリンで飲んで、地下鉄でマンハッタンに移動してからまたブルックリンに戻って飲んで(笑)。ロスは車社会だからこういう飲み方はしないんですよね。おかげでだいぶニューヨークに詳しくなりました。撮る前に飲めてたら、ロケ地選びに反映できて良かったんですけどね(笑)」
長編監督作品が待たれる岩井俊二にとって、これが海外資本で撮った最初の作品となる。彼の監督人生における第二ステージはここから始まる。
「いろいろな国で映画を撮りたいと思って、こっちへ来たのが5年前。完全に、日本人以外と日本語以外の言語で撮ったのは初めてです。僕の理想としては、かっちりとした台本をそのまま言わせるのではなく、自然な会話を俳優から引き出したい。そして、あまり言語に頼らない、音を消していても感動できる映像を作りたいんです。これはその実験の初期に位置付けられる作品になるのかな、と思います」





